ESDは、「持続可能な社会づくりの担い手(人材)」を育成するための教育です。
"Education for Sustainable Development"の略称であるESDは「持続発展教育」という名前に訳されています。ESDは、2002年にわが国が提案した新たな教育理念です。地球環境を保全でき、持続可能な社会づくりの担い手となる人間を、初等中等教育の段階から育成することを目指すものです。
2人の識者による「ESD」についての対談記事を下記よりご覧いただけます。
基本的な考え方
- ESDは、持続可能な社会をつくるための担い手づくりです。
ESDの実施には、特に次の2つの観点が必要です。
(1)人格の発達や、自律心、判断力、責任感などの人間性を育むこと
(2)他人との関係性、社会との関係性、自然環境との関係性を認識し、「関わり」、「つながり」を尊重できる個人を育むこと
- 環境教育、国際理解教育等の持続可能な発展に関わる諸問題に対応する個別の分野にとどまらず、環境、経済、社会の各側面から学際的かつ総合的に扱うことが重要です。
育みたい力
- 体系的な思考力(問題や現象の背景の理解、多面的・総合的なものの見方)
- 持続可能な発展に関する価値観(人間の尊重、多様性の尊重、非排他性、機会均等、環境の尊重等)
- 代替案の思考力(批判力)
- 情報収集・分析能力
学び方・教え方
- 「関心の喚起→理解の深化→参加する態度や問題解決能力の育成」を通じて「具体的な行動」を促すという一連の流れの中に位置付けること
- 単に知識の伝達にとどまらず、体験、体感を重視して、探究や実践を重視する参加型アプローチとすること
- 活動の場で学習者の自発的な行動を上手に引き出すこと
わが国が優先的に取り組むべき課題
先進国が取り組むべき環境保全を中心とした課題を入り口として、環境、経済、社会の統合的な発展について取り組みつつ、開発途上国を含む規模の持続可能な開発につながる諸課題を視野に入れた取り組みを進めていく。
以上、“わが国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画より”